対象の病気と手術方法

4-1. 腹部大動脈瘤手術

腹部大動脈の一部分が瘤(こぶ)状に拡張する病気が腹部大動脈瘤です。おもに、高血圧などの動脈硬化が原因です。胸部大動脈瘤と同様に、通常は無症状であり、検診や他の病気の検査をした際に発見されることも多くあります。破裂した場合は突然死にいたることが多く、たとえ病院に救急搬送されても救命することは困難であり、破裂する前に治療をおこなうことが必要です。
腹部大動脈瘤の大きさが45~50mm以上、拡大傾向のある場合、形の悪い動脈瘤は、手術適応となります。手術は、人工血管に置き換える手術をおこないます。腹部大動脈瘤の患者さんは、しばしば虚血性心疾患(冠動脈が狭窄または閉塞する病気)を合併することが知られており、当院では、術前に心臓の検査をおこなっています。


▲Y型人工血管


▲ストレート型人工血管

腹部大動脈瘤の手術


▲腹部大動脈瘤手術の図


▲術前3DCT画像(腹部大動脈瘤)


▲術後3DCT画像(人工血管置換術)

4-2.ステントグラフト内挿術

腹部大動脈瘤に対する治療は、人工血管を用いた手術治療が一般的ですが、近年、ステントグラフトを用いた治療が可能となってきています。
神奈川県内では、胸部大動脈、腹部大動脈に対するステントグラフト内挿術を施行できる病院は、数ヶ所に限られていますが、当院は胸部大動脈、腹部大動脈ともにステントグラフト治療をおこなえる認定施設となっています。
胸部大動脈瘤の説明でも記載しましたが、ステントグラフト内挿術とは、レントゲンを確認しながら、中にバネの入った人工血管(これをステントグラフトといいます)を大動脈瘤の部位に留置するという手術です。大腿の付け根の動脈から管を入れるので、小さい傷で手術をおこなえるという長所がありますが、蛇行または屈曲している大動脈瘤や、腎動脈に近い大動脈瘤には使用できないため、すべての大動脈瘤に適用できるわけではありません。
当院では、ご高齢で手術のリスクが高い患者さんに対して、ステントグラフト内挿術を積極的におこなっています。


▲ステントグラフト内挿術の図


▲術前3DCT画像(腹部大動脈瘤)


▲術後3DCT画像(ステントグラフト内挿術)

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